父親が亡くなって、通夜葬儀など、3日ほど慌ただしい日々が続いた。
葬儀会社との打ち合わせ、親戚へのもてなし、弔問客への対応など次々と対応、判断に追われ、よく言われることだけど、家族は悲しみにくれる暇もない。
一通りのことが終わり、親戚なども帰り、日常が戻ったすぐその日、行動に出ていた。
実は、父がもう危ないかもしれないと分かってから、少しずつ情報収集はしていた。
一応バイト情報誌を買ってみたりもしていた。
めくるたび、昔の辛い思い出がよみがえる。
仕事探しといえば、ハローワーク?
一人で探すより、誰かのアドバイスを受けた方がいいのではないか
でも自分のような人間がいきなり行って相手にしてもらえるだろうか?
アルバイトやパート探しでもハローワークに行っていいのか?
やっぱりハローワークなんて怖い・・・。
頭の片隅にあった、各都道府県にあり、引きこもりを支援してくれる専門機関地域若者サポートステーション(通称サポステ)、もうここしかないかと思った。
他にも引きこもり支援機関をいろいろ調べ、就労よりも精神ケアを重視した施設を見つけ、まずはそこに電話してみることにした。何となくそっちの方が優しく対応してくれそうな気がしたから、ただそれだけだけど。
でも仕事したい決意は固まっていたので、すぐにサポステに回されることになった。
電話には、とても穏やかな口調の男の人が出た。
「引きこもり当事者なんですが、仕事したいんです」というようなことをまず言った。
どれくらいの期間引きこもっていたか、引きこもりに至った経緯、家族構成、これまでの仕事歴(どんな短いものでも)なども聞かれたと思う。
仕事はしたいけど、16年も引きこもって、何をどうしたら良いかわからない
こんな自分に仕事はあるのか不安
誰かの助けがほしい
というようなことを、たどたどしい言葉で、必死にしゃべったと思う。
人と会話することはものすごく苦手で、電話は特に苦手。
人前でうまく感情を出すことができない。
ずっと、ずーっと、親以外の人としゃべることがなかったからか、いや、引きこもる前からそうだった気もするけど、会話の仕方、言葉の発し方みたいなものが分からない。そういうのが、中学生レベルで止まっている気がする。
相手は、それが仕事だから、私の会話がどんなにグダグダになっても、「うん、うん」と優しく穏やかに接してくれた。
初めて、本当に初めて、他人に自分のことを相談した。
とりあえず、仕事をしたい意欲はあり、仕事を探したいということなら、ここよりサポステのほうがいいだろうということになり、サポステでの面談の予約を取ってもらえることになった。