大人の発達障害専門外来?

発達障害と診断されるまで、私は2つの病院に通っている。

最初に行った病院は、
「大人の発達障害専門外来」と銘打っており、
ホームページを見ると、デイケアや引きこもりの往診など、発達障害や対人困難者に対するアプローチがとても充実していそうに見えた。
診断も初診や簡単な問診だけで診断したりせず、「デイケアに通ってもらい、そこでの行動を見て」とある。それを見た時は単純に、「ここならしっかり判断してもらえそう」と思った。
全体的に、東京にある発達障害専門外来で有名な黒い鳥の名前が入る大学病院を目指している感じ(実際そこでのプログラムをデイケアで取り入れている)。
デイケアはまぁ通える時にちょこちょこ通えればいいかな?と安易に考えていた。
場所も駅前にあり通いやすい。

しかし、初診で私の望みは打ち砕かれた。

一応仕事には就いていることを伝えると、「仕事できてるのに、診断する必要あるの?」と言われた。

仕事できてる?
「できてる」ってどういう意味?
辞めてない=できてる?
いやそもそも「必要がある」「ない」って・・・。
仕事ができなくて、対人困難でもう八方塞がりで自尊心ズタボロで、よくなんでもない顔して生きていられるなってくらいで、藁にもすがる思いでここに来たんですけどーーーー???と心の中で叫んでた。

医者が言った意味はこうだ。
デイケアに通ってもらう=「デイケアに最低40日間、朝から晩までみっちり通ってもらう」で、仕事してたらそれは無理でしょ?と。
それがこの病院の診断方針で、もちろん「いい加減な診断はしない」という点では素晴らしいと思うけど、短時間だろうとフルタイムだろうと日中普通に仕事ができている人は、門前払いなのだ。
実際今書いたことそのまんま「そういうこと?」って医者に聞いたら、「ああ、まぁ・・・」と認めた。
確かにホームページには「発達障害者の”復職支援”に力を入れている」とあり、病院の名称もそれに関連したものになっている。
でもねぇ、まさか、仕事してる/してないで診断、治療、支援の機会が与えられないかもしれないとは、思ってもみなかった。

ちなみにWAISなどの心理検査は、「あれはアテにならない」だそう。

「大人の発達障害」ってそもそも、大人になるまで見過ごされてきたくらいだから、「何とかかんとかやれてきた人」が多いんじゃないかと思うのだ。
何とかかんとか「普通」に見えている・・・でもそれは、そう見せるために相当心身擦り減らしての結果・・・(私は全然「人並み」に見えてもいないかもしれないけど・・・)。
それを「何とかかんとかやれてるならいいじゃない」と言われると、打ちのめされるような気分になってしまう。

何度も言うけど、心理テストや問診だけで判断しないという病院の姿勢にはとても好感が持てる。
だけど、そういう人(大人になるまで見過ごされた人や、グレーゾーンの人だって)を救わないで、何が「大人の発達障害専門外来だ」とも思うのだけど…。

この思いもそのまま看護師さんにぶつけたけど、「診断してもらうためにせっかく就いている今の仕事やめるのは、すごくもったいないでしょ?」と言われた。
あくまで辞めなきゃいかんのか・・・。というかこのまま続けて心身壊すくらいならそれも手だと思ったが。

それでも私は食い下がり、何とか通える日を作ってデイケアに通った。
その時の私は月に24~25日(!)は勤務していて、休みは多くて7日、少ないと5日くらいしかない月もあった。
1日の勤務時間は短いにしても、何しろ肉体労働で1週間以上の連続勤務も多く、休みの日はできれば昼近くまで寝てダラダラ過ごしたい。それでも通えば診断をしてくれると言うから、必死に通った。4ヶ月くらい。月に2回しか行けなかったけど。

デイケアに通うことが認められ、それにあたり自立支援医療(医療費が1割負担で済む)の申請を勧めてくれたのだけど、役所に提出する書類に書かれていた内容が、あまりにショッキングだった(笑)。

「この人はどんな症状で精神科に通っているのか」というのを書かなくちゃいけない項目があるのだけど、そこには「小さい頃からいじめられ、人に嫌われ、大人になってからも仕事ができず」という散々な内容がそのものズバリと書かれていた。
それは確かに私がソーシャルワーカーに言ったことだけど、あれをそのまんま書かれるとは思ってもいなかった!
「できるだけ重く深刻に書かなくちゃいけないのでねぇ」とは言ってたけど、何のことだかよく分かってなかった。
あれを自分で役所の人に対面で渡す時は惨めで涙が出そうになった。

デイケアに通うと同時に定期的に診察も受けたのだけど、これがまた、苦痛極まりなかった。
初診の時はいわゆる発達の専門医で、まぁはっきり言えば、私は初診でその医師に「この人は発達障害ではない」と仕分けされたんだろう。次の診察では別の医師があてがわれた。

車の運転でミスばかりする、でも車なしで生活は難しいと言うと、「いい方法があるよ。結婚して、旦那さんに運転してもらえばいいんだよ」。
けっこん??結婚なんかできるわけないだろ!!他人と一緒に暮らすなんて考えられないし、まったく結婚したいとも思えない。「自分の家」の中にまで他人が入ってきたら私は死んでしまう。

他にも、親との関係なんかも聞かれたので、ここのサイトで書いた親子エピソードなども語ったら、案の定というか、私の現在の状況の原因は「親の育て方だね」という感じになってしまった。
トドメに、「大事に育てられたって感じするよ」と。

これまでもよく、実情を知るよしもない人から、「大事に育てられたんだね」的なこと言われてきたけど・・・・
それ私の地雷ワードですから…。
大事??子供を自分とは切り離された1個の人間と見れない、情緒不安的で否定と干渉と支配しかできない人間から、ペットのような扱いは受けてきましたけど??と言いたかったけど、言えなかった。

この医者はわざと私を怒らせるようなことを言って、何かテストをしようとしているのかな??とまで勘ぐってしまった。

デイケアで行われているプログラム自体は、参加して良かったと思えるものもいくつかあった。SST(ソーシャルスキル・トレーニング)とか。
他の参加者との交流も少し持てて、こういうのもいいなと思えた。
発達障害の方はもちろん、他の疾患の患者さんも参加されている(1日に50人位の規模)。
デイケア自体は、引きこもりの時にこういうのを見つけられていたら…と思えるものだった。

診断してもらうという目的は別にしても、仕事場しか行く場所がなかった私にとって、デイケアは細々でも通えればと思ったけど、その時ホテルが繁忙期で忙しく月に2~3回行くのが精一杯だった私は、行ってもあまり意味がない結果になってしまうことが多かった。

プログラムによっては、例えばSSTでもAというSST系プログラムをある程度受けていないとBのプログラムには参加できないとか、不定期でたまにいつもと違うことをやるプログラムがあり、それが私にはまったく合わないものだったり。

最初の「Aのプログラムを受けていなかったら~」に関しては、Bの日に行ってしまい、看護師さんから「あれ、そう言えば説明してなかったね~」って言われて「え~!?」ってなったり…。
病院側にとって私は「いつ来るか分からな人」「突然ぽっと現れる人」だったので、このような行き違いは不測のことだったのかもしれない。

サイコドラマというプログラムがあったのだけど、これが私にはまったく合わなかった。
これ、月に1回開催されるのだけど、いつやるのか分からなく、なのに貴重な休みを潰して何とか行けた日がサイコドラマに当たってしまうことが2回もあり、もう嫌になった(不定期でサイコドラマになるプログラム、たしか通常はテーマを決めてパワーポイント使ってプレゼンするプログラムで、私はそれを受けたかった)。

デイケアはやはりある程度続けて通えないと意味がない、実際に通ってみてそう痛感した。
そんな折、突然面談で、「心理テスト受けてみる?」と言われた。
病院側としても私の対応に困っていたのだろう。
少しくらいは私の希望に沿おうと思ったのかもしれない。
以前から診察の際に、「心理テストは受けさせてもらえないんですか?」とかけあっていたことがあった。
でもそのたびに「あれはアテにならないからうちではしない」と言っていたのに…。
なのに、「今は予約で埋まっていて、受けられるのは1~2ヶ月後になるけど」とも言われ…(「うちではしていない」んじゃなかったの??)。

診断の材料にするつもりのない心理検査をなんのために受けさせるのか?
病院側の「何かしらはあなたのために動くよ」というポーズづくりのため?
このままここに通っても埒が明かない、医療費が無駄になるだけではないかと、転院も考えていた矢先だった。
心理検査は1度受けたら向こう2年間は2度目を受けられない。
他の病院で受けられなくなっては困るし、何となくこの病院への不信感も相まって、次の診察をすっぽかし、それから行くのをやめてしまった。